WC雑感⑥  マイアミの奇跡×王国

玉田のゴール。
彼らしい素晴らしいゴールだった。
このゴールは勇気を与えてくれ、夢を見させてくれたゴールであった。

しかし、前半のロスタイム。今まで神様はロスタイムに微笑んでくれていたが、今の日本代表にそんな力は無く、逆にソッポを向かれてしまった。
後半に入ってからは、力を感じれぬまま、45分が過ぎ去り、神様ジャパンは予選リーグで敗退した。

予選3戦を通じ、感じた事。
闘争心を感じられない。マイアミの奇跡を実現させた川口や中田だけしか戦っているとしか思えなかった。
サッカーの本質を忘れた試合を目にして、現実から逃避するかのように、他人任せのプレーが目に付き、采配は全て後手後手に回り、2戦目以降は考えが本当にあるのかと思うように、マスコミが立てたゲームプランを見せられた様な気がする。

あえてたらればを言わせてもらえば、追加招集に個人的には嫌いな闘莉王や、松田をメンバーに入れるべきだった。坪井の怪我が無かったら、恐らく神様は茂庭を遣う事は無かったと思うし、練習時やベンチから激しく鼓舞できるメンバーが欲しかった。結果は中田の孤立をマスコミが挙って書き上げただけが結果に残った。
また、俊輔はコンディションを崩していた以上、中田とのバランスの問題はあっても、とても3試合意を通じて中村が効いていたとは思えなかった。コンディションの問題と言えば、久保が選考から外れた事と同様に、スタメンで入れる事はまだしも、采配上はメンバー交代の対象だったはずだ(俊輔はブラジル戦相当に悔しい顔をしていたが、逆に彼の精神的な弱さを見せられた気持ちになった。4年前の日韓WCで落選した事同様に、彼の限界を見せられ、やはりトルシエの選択に間違いは無かった)。


日本に1−0で勝つ文化はない。
次期監督はオシムでもデシャンにしろ、日本の目指すサッカーは「闘争心溢れる面白いもの」であってほしい。
この4年指揮した神様の自由は日本では、放任としか映らなかった。
Jリーグは、自由(=おのずからに、よる)が自身で考えを行動する事が苦手な日本人に植え付ける前に、自由本来が持つ恐さを理解させ、それを跳ね除けるメンタルの育成。ゲームにおける闘争心を持ち続け高い集中力を普段の生活から影響を与え続けれる事ができる指導者に巡り合えればと思う。
でなければ、日本はこの予選リーグ敗退で間違いなく、日本サッカーは10年は遅れる事になるだろう。