WC総括①  〜JFAに生意気になる

ジズーが詳細な内容までは語らず、真偽の程は解らないものの、2006 FIFA World Cupは終わった。
ジズーも言ったとおり、侮辱的な言葉をかけられた事は事実であるが、報復行為とも言えるヘッドバッドは、やってはいけない事であり、やった以上は結果を素直に受け入れるしかない事も、相手を挑発する行為自体も含め、全てがFootballである。

今回のWCは、ほぼ順当に強豪国が勝ちあがり、クラブ同様にはっきりとした戦術コンセプトを持ったヨーロッパ勢の活躍が目を見張った大会でもあった。

そんな中、得点率が低かった大会で、守備が破綻した日本代表は7失点もしてしまった訳であるが、これは予選敗退以上に、本当に情けない結果である。ジーコが謳う自立心は殆どの選手が持つ事は無く、日本代表キャッチコンセプトである「サムライ精神」で、強靭な相手に立ち向かう事も無く、攻撃においては2得点のうち1得点は奪いに行った得点では無いのだから、正直1得点だけの価値しかないのは、1998年フランス大会からアウェイにおいては進歩が無く、且つホームアドバンテージを持ったトルシエジャパンから、後退(=進歩無し)して行ったと言われても致し方ないのではと思う。
特に日本サッカー協会の対応は、監督人事問題がいい例で、本当に強化がしたいのか、今の代表人気を維持したいだけなのか解らない。ジーコが怒った商業主義本位な考えが先立ったのなら、目先だけでとても100年構想の理念が根付かない、大都市圏でのJリーグ人気が陰っている理由も解る様な気がしてならない。特に川渕キャプテンこと協会会長は再任しても短いだろう任期の間に、問題点を早く代表関係機関に伝え、Jをはじめてとする各クラブチームや指導者たちに伝えると共に、サポーターにも伝え一丸となって、漸く2010年、2014年と・・・4年ごとに迎えるこの大イベントに、長期的な視点を持って、本気でWCを獲りに行く気持ちがなければ、川渕キャプテンが高らかに謳った「JFA2005年宣言」は、後世で世界の笑いものとなりそうな気がしてならない。
今後の強化策も、豊富な人材と言われる中盤も本当に豊富なのか?もっともっと伸びシロがある若手はいないのか?FWは本当に平山やカレン、伊藤翔、森本、マイク達だけでいいのか?有望な人材を発掘するスカウトや、地方のサッカー協会との連携は本当に取れているのか?
世界の若手たちとは比較して言えないものの、森本のサプライズからは話題も無く、マスコミの一過性のもてはやしだけが虚しい日本サッカー界が、本当のサプライズを起こす事を切に願うばかりである。